コミュニティスクールニュース

2007年1月号



<会長辞任>  

 1月12日の臨時総会には、たくさんの方が参加して下さり、活発な意見を交わすことが出来ました。 みんなが補習校のことを真剣に考えている熱意が伝わる、とても良い議論の場になったと思います。なお、みなさんから頂いたアンケートの結果は、役員会でまとめたあと、皆さんにご報告する予定です。ご協力、どうもありがとうございました。

 パネル・ディスカッションの時にも申し上げましたが、「たとえ財政的に苦しくても、先生への待遇をはじめとした人件費の削減をすれば、補習校の運営に大きな支障をきたすようになる」と、私は非常に心配しており、そういった背景から、授業料・会費の値上げを提案しました。「私たちの学校をどういう学校にしたいのか」、今回のパネル・ディスカッションをきっかけに、皆でこれから議論を深めていこうと最初は考えておりました。しかし、19日に行われた役員会で、「今回のアンケートで、すでに会員の大多数の意見が示されている。それにも関わらず、さらに議論しようとする会長は後援会の代表者としてふさわしくない」という意見が出されました。さらに、私の家内が先生をしているという状況下で、「Conflict of Interest(利害の対立)のある人間が意見を述べること自体が、そもそも不適当ではないか」という意見も出され、「お金が関係してくる問題については、Conflict of interestのある人は、原則として意見の表明もするべきではない」という新しいルールが役員会の多数決で決まりました。 

 改めて述べるまでもなく、「予算編成」は補習校後援会の最も重要な仕事です。現在の状況下で、“Conflict of Interest”のある私が後援会の会長をこのまま続けることは、会員の皆さんにご迷惑をかけることになりますので、会長を辞任することに致しました。これからは、一会員として、補習校の運営に協力していきたいと思いますので、よろしくお願い致します。なお、来年度の予算に関しては、大多数の方が賛成された、「大幅な費用削減を行い、授業料・会費の値上げを避ける」という方針で、次の総会まで、副会長の清水さんが「会長代行」として役員会の中心になり、学校の予算を見直すことになります。 

大場 真人

                                               

 

<校長からのメッセージ>

 昨年以来、後援会では学校の運営のことでいろいろと議論がなされてきました。私はこのことはたいへん良いことだと受け止めています。より多くの保護者の方が関心を持って、意見を交換しあうことは学校全体のためになるからです。会費や授業料のことについて話し合うことも重要なことですが、それで終わるのではなく、その目的についても議論し、考えていただきたいと思います。つまり、子どもに学校で何を学習させたいのか、そのためにはどのようなことが必要なのかということに、議論がおよんで欲しいものと思っています。

 現在、この学校には日本へ帰る予定の生徒もいれば、こちらに定住する生徒もいます。当然、保護者の授業に対する期待度もまちまちで、例えば、「採点を日本と同様に厳しくして欲しい」から、「ここで暮らしていく子どもに漢字のハネ、トメなどを教えても意味がない、むしろ、ある程度会話ができるようにして欲しい」まで、実に幅広い要求が出されます。また、国際結婚の家庭の生徒が増える中、「これまでのような学校の教え方ではついていけない子どもが増えるから、レベルを下げて欲しい」という声も聞かれます。

ここで私は皆さんに、本校が日本語補習授業校(補習校)として運営されていることを再確認していただきたいと思います。補習校は帰国子女を対象にした学校ですから、日本と同じように1学年を1年で終わるペースで授業を進めています。本校では設立以来30年に渡って、在籍したほとんどの生徒が帰国子女ではないにもかかわらず、このペースで国語を学習し、修了してきました。その生徒達すべてが両親共に日本人であったかというと、必ずしもそうではありません。また、その中には、先月号で述べたようにゆっくりと進級する生徒もいました。

 本校の学習目標は、国語の教科書を使って学習し、体系的に日本語の基礎を身に付けるところにあります(詳しくは学校のウエブサイトの「指導目標」を参照)。授業では、学年相応の国語力を身に付けるために、小学一年から「読み」、「書き」に重点をおいて指導しています。

 「いや、うちの子にはそんなレベルまで要求しません。読み書きなど適当でいいのです。親戚や友達と少し話せる程度でいいのです」という意見もあるでしょう。しかしながら、そのような意見に対して、私は「どうしてそんなに目標を低くするのですか。どうして自分の子どもを過小評価するのですか。そんな程度の教育しか望まないのですか。」と、いつも疑問に思うのです。

保護者が目標を高く掲げた結果、子どもに高いレベルの日本語力を身に付けさせた例が、本校にはたくさんあります。高校生の時には日本の大人が読む文庫本を楽しめるほどになった例、また、日本のテレビドラマを見て日本の歴史や文化を深く理解し、洞察までできるようになった例、等々。この学校の方針に従って学習を続けた後、そこまで到達できた生徒を見ることは、教師側としてはこの上ない喜びですし、大きな誇りとなります。

 子どもは可能性に満ちています。その可能性を、保護者の無理解で早くからつみ取ることは避けて欲しいものです。学齢期前後の子どもは言語学習が早いですし、クセのない自然な日本語を体得できる時期にあります。子どものせっかくのチャンスを逃さないで欲しいと思います。

 もちろん、そのためには、家庭学習で保護者の不断の努力が必要なことは言うまでもありません。現在、小・中学科には、両親共に日本人でない家庭の子どもが7名在籍しています。そのうち2名は低学年から着実に進級してきました。本人達はもちろん、保護者の方の努力には頭が下がります。日本人の保護者の方々にも、もっと意欲を持っていただきたいと思います。

 家庭学習についてご質問などありましたら、いつでも担任か私の方にご連絡ください。

校長 常田いち子

 

 

<作品文集の編集について>

今年より文集編集を保護者が手伝うことになりました。つきましては2月,3月より作文編集、習字編集などの作業が発生してきます。ご協力をよろしくお願い致します。

文集担当役員 元田幸子・阿部見香子

 

<エドモントン日系人会(EJCA- Edmonton Japanese Community Association)コーナー>

 学校でも使っていただいているエドモントン日系文化会館は1994年に開館しました。今月はこの会館がどういう経過でどのように建てられたかをお伝えしましょう。

 12月号で、1988年に日系人に対する戦時補償が成立し、カナダから日系人個人に補償が払われるとともに、戦時に壊された日系社会再建のための補償もでたところまでお伝えしました。この日系社会再建のための基金がカナダ各地の日系会館建設にも使われることが決まり、バンクーバーやトロントなどの大都会での会館の建設計画が次々と承認されました。エドモントンでは本当にみんなが会館を必要としているのか、もし会館があったら何をするのか、その基金のほかに資金はいくらいるのかなどの調査を始めると同時に、小さい場所を会館として借りてそこで何が出来るかのテストを始めました。その結果、会館が欲しいと思っている人が多いこと、会館があれば日系人の繋がりがしっかりとしいろいろな活動が盛んになるだろうということも分かりました。手芸などのグループがそんな将来に向けて貯金をしていたささやかな資金もみんなの気持ちを代表するものでした。

 そして調査の結果、会館には大きなホール又はジム、会議室、事務室、図書館、倉庫、台所などが必要だと分かりました。手元の数万ドルと戦時補償基金からの25万ドルでどんな会館が建てられるのだろうか?可能性として既存の建物を買うこと、古い教会を買うこと、土地を購入して新しい建物を建設することなどを調べたところ、予算内では私たちが満足できるような場所と環境のものはないことが分かりました。そんな時、Argyll Community Leagueが古くなったセンターを持っているが会員が減ってその維持に困っていることを知りました。このCommunity Centreを増改築して会館の共同運営が出来ないかという案が出ました。大きな障害はCommunity Centreはエドモントン市の管轄で土地も建物も市のものであることでした。Community Centreが他のグループと共同運営される形はエドモントンでは他に例がありませんでした。計画を練って市と何十回にわたる話し合いを持った結果最終的に許可されたのは1992年でした。

 また増改築には50万ドル近くかかることも分かり、不足している資金の調達のための寄付集め、他の基金への応募、カジノ、バザーなどを行い、1994年8月には借金を残さずに会館が出来上がりました。法律的に会館はエドモントン市のもので、私たちはその会館を10年ずつの契約で借りています。その代わり、土地代は払っていませんしすばらしいMillwood公園を自分の庭のように楽しんでいます。

 会館の維持と運営はArgyll Community LeagueとEJCAの代表とで成るJoint Centre Operation Committeeがあたっています。EJCAが行う行事でもArgyll Communityの会員を招くこともあり、これからはもっと協力しあってエドモントン市のコミュニティの良い手本になりたいと思っています。

 次号では最近のEJCAの活動についてお話をします。

 

1月行事ご案内:すき焼きの夕べー皆でおなべを囲んで冬の団欒です。皆様の参加をお待ちしております。

場所:エドモントン日系文化会館   6750-88 Street

日時:2月17日(土) 午後5時~

ご質問は、どうぞ大木までお電話をください(夜:459-3862)。              

大木 早苗

 

12月号「としき君基金のご報告」の訂正> 

12月号では、「EJCAが設けたとしき君基金」と書きましたが、正しくは「EJCAと日本人教会の有志が設けた基金」でした。ここに訂正致します。

元田 幸子

 

<父母のコーナー>

 

エドモントン近郊のお勧めスポット#6

 

今週は、3人の息子さんが、プレイスクール・小1・小2にいらっしゃるヴァンさんに投稿いただきました。

 

エドモントン、もといジャスパーのお勧めスポット!

 

 “エドモントン”のお勧めスポットを頼まれたものの、住んでいる所が郊外である上に、こちらに越して来てから3年程しか経っておらず、出不精なので皆様にお勧めできる場所など知らず困っていたら、以前住んでいた所の情報でも良いという事なので、長年住んでいたジャスパーのお勧めスポットを紹介させて頂きます。

 

1.お食事処

①「Tonquin Inn」:ここのプライム・リブが有名です。焼きたてのパンが付いてくるのですが、これも美味しいです。

②「Utopia」:ここは、エドモントン方面からジャスパーに入ってすぐにあるEssoガソリンスタンドの裏側にあるレストランなので、見過ごしてしまいそうな場所にあるのですが、侮るなかれ、お値段も手頃でボリュームもあるので地元の人に人気です。冬場は、2For1ピザもあり更にお得です。

 

2.BBQやピクニックのお勧めスポット

①「Lake Annette」:ジャスパー・パーク・ロッジへの門をくぐる一歩手前を左折し、ちょっと行くと右手にあります。真夏日には、地元の人たちが湖で泳いでいます。しかし、雪解け水で出来ている湖なので日本人にはあまりにも冷たく、私は、足首までが限界でした。そこで、普通に泳げるなんて“恐るべしカナダ人”です。(笑)ここから、Edith Cavelを見る事も出来ます。

②「Lake Edith」:Lake Annetteへ行く道と同じ様にして行くと、左手にあります。ここからは、Indian Faceの山が綺麗に見えます。

③「6th Bridge」:Maligne Canyon方面に向かうと、左側に看板が見えてきます。ここは、人込みを避けて静かにBBQをしたい人達にはもってこいの場所ではないでしょうか。

 

3.ジャスパーの見所

①「Pyramid Lake」:木の橋を渡り、小さな島でちょっとのんびりするのも良いですよ。

②「Old Fort Point」:上まで登ればジャスパーの町?村を一望出来ます。ただし、ここは崖っぷちを歩いて登るので、小さなお子様連れでは危険です。

③「Edith Cavell」:ちょっと足をのばしても是非寄って頂きたいのがここです。ここ数年、地球温暖化の為に氷河の塊が下まで落ちてきているようなので、一緒に記念撮影など如何でしょうか。

これから、ジャスパーに旅行される方で質問などがございましたら、御遠慮なくヴァンにお声をお掛け下さい。

 

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我が家のお勧めスポットをぜひ紹介したい!という方は、ニュースレター編集担当の小林までご連絡ください。また、私のほうから、お勧めスポットコーナーへの執筆をお願いすることがありましたら、ご協力ください。投稿の締切りは毎月第三金曜日です。

 

<親子絵画教室の開催のプラン>

 複数の方から絵画教室開催の要望がきました。どのくらいの方が興味をもっているか調査したく、興味のある方はsachiko@interbaun.comまで、下記内容を明記の上ご連絡ください。

   ・名前

   ・学年

   ・習いたい内容(例:スケッチ、ポスター等)

 

対象:絵が好きなこと、鉛筆をしっかりつかえる事

会費:無料(画材費、部屋借用費除く)

(*ベビーシッターはしません。)

元田 幸子

 

<「おめでとう!」コーナー>

日加タイムスのこども俳句コンクールに、小5の金力蔵くんの俳句が入選しました。また、選にはもれたものの、あと一歩、惜しかったという選外作品に、小4の大沢真琳さんと小2の清水勇樹くんの俳句も紹介されました。おめでとう!

 

かがみもち みかんともちの ゆきだるま

金 力蔵

 

クリスマス サンタが来るぞ 早く寝よ

大沢 真琳

 

お年玉 ためるつもりが すぐきえる

清水 勇樹

 

<「おめでとう!」コーナーへの投稿のお願い>

「おめでとう!コーナー」は、補習校生徒ならびに会員の学校外での活躍や業績を紹介し、称えていくコーナーです。コンテストで入賞した、所属しているスポーツチームで著しい活躍を遂げた、などなど、いいニュースを募集しています。自薦・他薦どちらでも結構ですので、小林までお知らせ下さい。

 

 

<ニュースレターについて>

 ニュースレターへの記事の掲載をご希望の方は、担当の小林までご連絡下さい。投稿の締切りは毎月第三金曜日、発行は第四金曜日です。

書記 小林 麗

 

<2・3月の当番>   

 

126()

渡辺、植林

22()

ジョーンズ、守田

29()

フランキヴィズ、星

216()

シュラック、小林

223()

ヴァン、井戸賀

228()

ロペス、菊地

39()

阿部、丁(てい)

316()

王、佐々木

323()

ラムジー、佐々木

 

 

 

当番の変更がありましたら、お早めにダンウォルドまでお知らせ下さい(437-3457)。

 

 

 

スクールニュース校正 大沢 誠

編集 小林 麗