コミュニティスクールニュース
2007年2月号
<会長代行からのメッセージ>
-バジェットウォーズの教訓を踏まえて-
1月12日のパネルディスカッションに始まった今回の一連の事態も、2月15日に皆さんにメールで送った「役員会と大場さんからの謝罪文」によって収束に向かいました。しかし、今回のことによって、エドモントン日本語補習校は、多くの問題を抱えていることも確認することができました。
まず、教育の質と先生方への待遇、これは単に謝礼を多く差し上げれば良いと言うような問題ではないでしょう。お互い人と人、節度ある態度と礼をもって対応し、先生と親がより良い関係を築けば「教育の質」は向上するでしょう。なぜならこの学校では、教育に対する親の役割がとても重要だからです。週に3時間しかありませんが、学校で我々の子供たちは密度の濃い授業を受けることができます。その授業を生かすも殺すも親次第なのです。我々親がその自覚を持った時こそ、本当の「上質の教育」を達成することができるのではないでしょうか。
また、今現在の補習校は会員の人数も増え、カジノボランティアがあり、運営資金がたくさんあるように見えますが、本当に潤沢な資金があるのでしょうか。年間の補習校の運営には80,000ドル前後の資金が必要です。このうち、65~75%は、カジノと会費によって賄われています。トラの子貯金(emergency
fund)も90,000ドル位残っています。しかし、予算案通りに行かなかった今年度は、現時点ですでに28,000ドル位をトラの子貯金から切り崩して使っています。トラの子貯金は、このような緊急事態のためにこそあるのですが、何等かのトラブルにより収入がなかった場合、たった一年で30年かけて貯めたエマージェンシーファンドは、無くなってしまうのです。この4-5年はカジノ景気で太っ腹になり、あれもこれもと使っていましたが、今回の騒動を教訓に締めるところは締め、出さねばならない時はさっとだし、エマージェンシーファンドを巧く活用して確かな財務管理を目指してしていかなければならないでしょう。
さらに、「利害の対立(Conflict Of Interest)」問題も含め、今まで我々の学校では考えられなかった、または考える必要のなかった問題が起こってきています。カジノを始める前の補習校では、後援会会員の保護者たちはお互いに顔見知りで、どちらかと言えば親たちの親睦会のような性格もあったのではないでしょうか。しかし、現在の補習校は日増しに人数も増え、運営資金にしても4-5年前に比べて、倍くらいに増えています。つまり組織として成長しているのです。今、
我々は組織として成長している補習校と、どのように係わっていくか、どのような補習校にしていくのか、大きな岐路に立たされています。
教育の質、財務管理、そして補習校との係わりと方向性、これらは、今すぐ結論を出さねばならない問題ではありません。あせって決めてしまうより、みんなでじっくり考えてより良いほうへ進んでゆけばよいでしょう。
来年度予算については、第一回目公聴会後に集められたアンケートの結果*を考慮して、とりあえずは値上げなしで支出を見直すという方向で進めて行こうと、役員会は考えています。ただ単に削減してけちけち財政を行うのではなく、原点に返るようにしたいと考えます。今回の教訓を生かして、カジノからの収益金と次回カジノの時期がはっきり分かった段階(9月ころ)で、予算修正を行う予定です。
これから、カジノ、弁論大会、30周年記念とイベントがたくさんあります。また4月には年次総会があります。しばらくは学校行事が忙しくなりますが、会員の皆さんの力によってこの補習校は運営されていることを忘れないでください。よろしくお願いします。
(*第一回目(1月12日)・第二回目(2月9日)公聴会の議事録と、第一回目公聴会後のアンケートの集計結果が欲しいという方がいらっしゃいましたら、清水(satoshi_s314@hotmail.com)までお申し出ください。メールでお送りいたします。)
会長代行 清水 聡
<校長より-辞意の撤回>
先月の大場さんの会長辞任に際し、役員会全体が一つにまとまり得ない状況を目の当たりにして、一緒にやっていく自信を失い、また、私の力不足も一因であることを考え、一旦役員会に対して辞任を表明しました。しかし、その後、役員会で今回の問題が、いろいろな誤解と意志の疎通の不足に基づくものであったと確認されましたので、辞任を撤回することにしました。後援会の皆様にご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
校長 常田いち子
<校長からのメッセージ>
この1ヶ月の間、本校は「授業料値上げ問題」で大揺れに揺れ、大場会長の辞任という残念な結果も招きました。この間、あまり建設的でない感情の対立もありましたが、たいへん有意義な議論もあったと思います。今回の議論を、「騒動」として忘れ去ってしまうのではなく、本校の日本語教育と運営のあり方について、見つめなおす良いきっかけにすべきだと思いました。その願いを込めて、今回は「なぜ子どもたちに日本語を学ばせるのか」について、次回は「本校の組織と運営:今後の展望」について、私見を述べさせていただきます。
≪私が本校に興味を抱いた理由≫
このことは、本校の創設者の方々が書かれた「エドモントン地区日本人コミュニティ・スクールのビジョン」に集約されています。それは、「子供たちへ:あなた達は、限りない可能性と才能を持っている。この才能を引き出し、発展させていく一つの機会が、ここに与えられた。子供たちよ!この学校で一生懸命日本語を学べ。又、英語圏に住んでいる利点を活用して、英語と日本語の完全なる使い手に育ってくれ。そして将来、カナダと日本両文化の理解と人々の融和の上に、さらには、国際平和・人類のために役立つ人になってもらいたい。これが、この学校を作った親達の切ない祈りである。」というものですが、私は、この祈りに大きな共感を覚え、そのことが校長の任を引き受けることにもつながりました。
≪なぜ、子どもたちに日本語を一生懸命学んで欲しいか?≫
日本で生まれ育った親は、日本という環境で、日本語や日本の文化等をごく自然に学び、当たり前のこととして身に付けていますから、当然、自らのアイデンティティに関して疑問を持つことも無いと思います。しかし、ここで育つ子どもたちは、遅かれ早かれ、この「アイデンティティ」の問題にぶつかることになります。日本人、日系人はこの国では圧倒的なマイノリティーです。時には「いじめ」や「差別」の対象になることもあるかもしれません。その意味でも、子どもたちの中に「自らのアイデンティティに対する正しい(盲目的でない)誇りを養う」ことが大切で、その必要条件の一つが「日本語力」だと私は考えています。子どもたちが本校で「日本語力」をつけ、日本語の書物や、いろいろなメディアを通して、日本文化や歴史に対する正しい理解と洞察力を深めることができれば、それ以上のことはありません。そのことこそが、本校の存在理由なのだと、私は理解しています。本校の在校生や卒業生の中には、そのような「日本語力」を身につけることができた人が何人もいます。自らの文化背景に正しい理解とプライドを持つことは、異文化に対する「寛容」と「やさしさ」にもつながっていくと思います。その上で、子どもたちは広い社会へ羽ばたいていき、それぞれに活躍していく場を見つけていくのだと思います。このことこそが、本校の創設者の方々の「祈り」だったのではないでしょうか?
先月号で、私は、この学校が日本語補習校であること、そして、保護者の家庭学習に対する姿勢で、生徒の日本語力をかなりのレベルまで伸ばすことができると述べました。しかし、その育成には長い時間がかかります。時には、「子供たちを叱咤激励する」ことも必要でしょうし、相当の忍耐も必要でしょう。保護者と教師が高い志を持って手を携えることが、今問われているように思います。
校長 常田いち子
<体験入学・体験入園のお知らせ>
-4月から子供さんの入学・入園をご希望の保護者の皆様へ-
幼稚科年中、年長、小学1年の教室の様子を知ってもらうために、それぞれのクラスで、授業体験をしてもらうことにしました。関心のある方は、子供さんとご一緒にお集まりください。学校のことをまだご存じない方もお誘いください。
日時: |
3月9日(金) 6:50~7:20pm |
場所: |
1)現在、プレイスクールの方 → 年中組(005番教室) |
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2)現在、年中の方 → 年長組(R.S.校・図書室の南側) |
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3)現在、年長の方 → 小1(山田先生)(004番教室) |
校長 常田いち子
<校内弁論大会のご案内>
今年も、高学年(小5、小6、中2)の生徒による校内弁論大会が行われます。大変ユニークな主張が展開されますので、ぜひ、たくさんの保護者の皆様に聞いていただきたいと思います。また、高学年について知っていただくよい機会にもなります。どうぞ、低学年の保護者の方もお誘い合わせの上、ご出席ください。
日時:3月17日(土)1:00~3:30pm
場所: EJCA会館 6750-88 Street
校長 常田いち子
<終了式のお知らせ>
今年度の終了式は、3月23日(金)に行います。
校長 常田いち子
<授業日変更のお知らせ>
Teachers Conventionのため、授業日が、3月2日(金)から、2月28日(水)に変更になりました。
また、新年度第一回目の授業日は、4月6日(金)がグッドフライデーの為、4月5日(木)に変更になりました。この日には、始業式及び年次総会も行われます。お間違えないよう、登校してください。
<落書き・いたずらについて>
このところ、リチャード・セコード校から、教室の机やトイレの壁に落書きがあるという苦情が届いています。落書きの内容から、私達の学校の生徒によるもののようです。また、トイレのドアを内側からロックしてしまうといういたずらも報告されています。この様なことは、あってはなりません。教師も気をつけますが、保護者の皆様にも、「校舎を大事に使わなければならないこと、ルールは守らなければならないこと」を、子どもさんに話していただきたいと思います。くれぐれもよろしくお願いいたします。リチャード・セコード校は今年の6月まで借りることになっていますが、最後まで気持ちよく使わせてもらえるよう、心がけましょう。
校長 常田いち子
<エドモントン日系人会(EJCA- Edmonton Japanese Community Association)コーナー>
今月はエドモントン日系人会(EJCA)の近年の活動についてお話しすることになっていますが、その前に学校の保護者から二つご質問を頂いたので、それにお答えいたしますね。質問は、「スクールニュースにEJCAを紹介してもらっているけど、学校は団体としてEJCAの会員になっているのですか?」それから「どうやってEJCAの会員になれるのですか?」ということでした。EJCAには団体会員制はありません。学校とEJCAの関係は両方ともエドモントンで日本文化を推進するという共通項がありますから一緒にいろいろな行事をしますが、会としてはお互いに独立しています。EJCAの会員は個人参加です。会員になるためには会の趣旨に賛同されて申込書に会費を添えて申し込んでください。会費は2007年1年間で家族30ドル、個人15ドル、70歳以上なら会費は免除されます。Online の申し込みはこちらです。http://www.ejca.org/ejca/membership.html またお電話をいただけば、申込書をお送りいたします。
ではEJCAではどんな活動をしているのでしょうか?
1. 会員間の親睦と日本文化の維持 - 2006年には次の行事がありました。新年会と日本舞踊、すき焼きと映画会、ひな祭り、シニアーBake
Sale、学校と合同の運動会・ピクニック、Garden
Market, Community BQ, ヘリテージ祭り、Dr.
Shimizu送別会、日本庭園のためのバザー、クリスマス会
2. 機関紙「もしもし」の発行
3. 奨学金
4. Japan Today(エドモントンの中学生への日本文化紹介)、Library, JAG(若い会員の集まり)、シニアークラブ、はまなす会(女性のグループ)
5. 文化会館のArgyll Community Leagueとの共同運営
6. 全カナダ日系人協会の活動への参加や各地の日系人会との連絡
7. 総領事館・エドモントン市・アルバータ州・大学
などの公共機関との連絡や日本関係の行事への参加、たとえば、栗本日本庭園の行事など。
8. そのほか日本に関する情報や行事のお知らせ、日系シニアーのお世話、日系関係のセミナー・プログラムの開発など、会員の役に立つことはどんどん行っています。
9. 次のクラブはメンバーが全員EJCAの会員で、定期的に文化会館を使って活動をしています。ちぎり絵、習字、太鼓、碁、空手、からおけ、卓球、剣道・なぎなた
近年はカナダ人の会員が増えています。日本文化に興味のある人は皆一緒に活動をしたいと考えているので、太鼓、碁、空手や剣道のクラブは日系の人は少ないのですがみんな会員になって、お正月を祝ったり、すき焼きの夕べをしたりしています。皆さん自分の趣味の分野だけにとどまらず日本文化一般に触れる事の価値を大切にしているようです。
日系文化会館のあるMill Creek公園の中に使っていない小学校があり、空手や剣道のクラブがグループを作ってそこを使えるようにする計画をしています。学校もそのグループに入ってその案を推し進めたい意向があると伺っています。これからも学校とご一緒にいろいろな活動をしていくことになるでしょう。
11月から4回にわたって日系人会の紹介をいたしました。これでシリーズは終わります。
大木 早苗
<ローヤルチレル恐竜博物館Campへのお誘い>
アルバータ州ドラムヘラーにあるRoyal Tyrrell Museumから次のお誘いを頂きました。
恐竜博物館ではいろいろなキャンプを催していますが、今年7月24日から27日まで日本から男子12名(9歳から13歳)と男性12名(お父さんが多いのでしょう)が3泊4日で来ます。日本からの参加者と地元の日本人それから恐竜博物館が一緒にカナダの文化やもちろん古世代について学びながら、親睦を図り豊かな経験が出来る機会を作りたいと思っています。
カナダからは、エドモントンの日系コミュニティからカナダに長く住んでいてカナダ文化を理解し日本語と英語が出来る男子6名(9歳から13歳)と男性6名(お父さんなど)の参加者を求めています。
キャンプ場は恐竜博物館から歩いて20分のところにあり、teepeeに泊まります。食事はキャンプ場のスタッフが作ってくれます。
興味のある方は3月2日までに清水(452-6093)へお伝えください。詳しい案内書をお渡しいたします。
会長代行 清水 聡
<エドモントン地区日本人コミュニティ・スクール教師募集>
エドモントン補習校では、先生をしてくださる方を探しています。興味のある方は校長の常田先生(tsuneda3@telus.net)まで履歴書を送ってください。 子供たちを教えることに情熱と関心のある方であれば、必ずしも教員免許は持っている必要はありません。ただし、働けるビザは必要です。もし、質問のある方がいらっしゃいましたら、直接、常田先生にお尋ね下さい(988-6546)。
会長代行 清水 聡
<「地球ラジオ」作文コーナーへの投稿募集>
NHKの「地球ラジオ」という番組から、エドモントン補習校の児童に、作文コーナーへ参加してもらえないかという要望が寄せられました。「地球ラジオ」では毎週、「僕たち私たち元気だよ」と題して、世界各国の日本人学校、日本語補習授業校に通っている小学生の子ども達の作文を紹介しており、国際電話で子ども達に実際に読んでいただいた作文(あらかじめ録音します)を、日本にお住まいのご親戚や、お友達にも聞いていただける、番組でも好評のコーナーだそうです。
作文の内容は自由ですが、時間の関係で400字程度の原稿になります。参加できるのは、小学生2名ということです。
尚、「地球ラジオ」は毎週土曜、日曜日、日本時間午後5時5分から6時50分までNHKラジオ第1放送で日本全国に放送しています。また海外向けにも短波で同時にオンエアーしています。更に、放送終了後1週間は番組のHP(http://www.nhk.or.jp/gr/)でも聴くことが出来ます。
興味がある方は、3月9日(金)までに、清水(satoshi_s314@hotmail.com)までお知らせください。
会長代行 清水 聡
<図書よりお知らせ>
新しい本がたくさん入りました。新書本のリストを玄関の掲示板に貼り出しますのでご利用ください。
図書係 清水 理予子
<父母のコーナー>
エドモントン近郊のお勧めスポット
(すみません。今月はお休みです。)
我が家のお勧めスポットをぜひ紹介したい!という方は、ニュースレター編集担当の小林までご連絡ください。また、私のほうから、お勧めスポットコーナーへの執筆をお願いすることがありましたら、ご協力ください。投稿の締切りは毎月第三金曜日です。
<「おめでとう!」コーナーへの投稿のお願い>
「おめでとう!コーナー」は、補習校生徒ならびに会員の学校外での活躍や業績を紹介し、称えていくコーナーです。コンテストで入賞した、所属しているスポーツチームで著しい活躍を遂げた、などなど、いいニュースを募集しています。自薦・他薦どちらでも結構ですので、小林までお知らせ下さい。
<ニュースレターについて>
ニュースレターへの記事の掲載をご希望の方は、担当の小林までご連絡下さい。投稿の締切りは毎月第三金曜日、発行は第四金曜日です。
書記 小林 麗
<2・3月の当番>
ロペス、菊地 |
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阿部、丁(てい) |
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王、増田 |
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ラムジー、スワロー |
当番の変更がありましたら、お早めにダンウォルドまでお知らせ下さい(437-3457)。
スクールニュース校正 大沢 誠
編集 小林 麗