コミュニティスクールニュース 2005年6月号

 

           

 


 

<会長からのメッセージ>

 

先生、役員、会員の皆様のご協力のおかげで無事に一学期を終了することが出来ました、どうも有り難うございました。Richard校との関係も良好で比較的問題の少ない学期だったと思います。さて今年から各種の新しい試みが始まりました。まず「漢字の達人」プログラム、そして5月の「牛の達人」課外授業は大場さんのご努力により大成功に終わることが出来ました。また6月の運動会は天候にも恵まれ実行委員長のヒルさんの下EJCAと合同で大盛況でした。みなさん楽しめましたか?役員会ではさらなる新しい行事を企画中です。会員の皆様も何か思いつくことがありましたらどしどし提案してください。

それでは皆さん、楽しい夏休みをお過ごしください。2学期開始日の9月9日に、元気にお逢いしましょう。

 

  後援会会長 大沢 誠

 

<校長からのメッセージ>

 

  生徒の皆さん1学期はよく勉強が出来ましたね。生徒と一緒に努力された保護者の皆様ありがとうございました。先生方も1学期間のご指導ありがとうございました。
  さて夏休みはどんなご予定ですか?日本へ行くご家族や旅行に出るご家族もあることでしょう。そして夏休みは日本語の勉強をするのに最適なときです。日ごろ出来ないことをゆっくりとしてみてください。特に親子間での日本語によるコミュニケーションがよく出来ていないご家庭では、もう一がんばりして、生徒と日本語を話すように努力してください。
  夏には次のようなことをしてみましょう。
- 学校で図書の本をたくさん借りて、生徒に本をたくさん読んであげてください。自分で本を読める学年の子どもでもお父さんやお母さんに読んでもらうのは大好きです。今年は新しい本もたくさん入りました。きれいな本がたくさんありますよ。
- 宿題は少しずつしてください。1学期に習ったことを忘れないようにするのが宿題の目的の一つです。漢字の練習なども繰り返し楽しく学べる工夫をしながらして見ましょう。
- 生徒と話すときは、必ず日本語を使いましょう。厳しい言い方ですみませんが、家庭で日本語を話さないのでは生徒は日本語が出来るようにはなりませんね。
- 日本のご親類やお友達と電話をしたり、手紙を書いたりして日本語を生活の中で使いましょう。
- ヘリテージ祭りは生徒が日本文化を誇りに思えるよい機会です。みんなで参加してこれからの勉強への励みといたしましょう。
  いつもお伝えしていますが、学校はあくまでもÓ補習校Óです。ご家庭で真剣に日本語教育に取り組んでください。学校はそのためのお手伝いをしています。夏休みは家庭でがんばる好機会です。
  今年はÓひまわり会Óでも小学生が宿題を一緒に出来るような活動を考えています。学校もボランティアの形でお手伝いする先生を見つけて協力したいと思っています。
  先生方は夏休み中もいくつかの研修会に参加したり2学期からの用意をしたりしながらまた9月に皆さんに会うのを楽しみにしています。
  ではお元気ですばらしい夏をお過ごしください。 

 

                校長 大木 早苗

 

<役員より>

 

 スクールボードの都合で、日本語学校の2学期開始日は9月9日となりましたので、ご了承ください。

 

                            後援会会長 大沢 誠

<ピクニック運動会>

 

 6月11日(土)曇り空の中で始まった運動会は、予報されていた雨にも見舞われず、盛況に開催されました。日本語学校からは約40家族60名あまりの子供たちが参加。EJCAからも50名以上が参加し、みんなで楽しく親睦を深めることのできた一日でした。多くの方々より、「大成功」「良かった」「楽しかった」「おいしかった」などの好評をいただきました。これも皆様の並々ならぬご協力のおかげとこの場を借りて御礼申し上げます。

 ドーナツ食い競走の「わさび入りドーナツ」を食べた人への特別賞であった50ドルのディナー券は、レストラン「わさび」さんからご寄付いただきました。また、日本語のわからない人々にも楽しめる運動会を目指して、日英両語での司会を務めてくださったラサールさん。多くの方々より感謝の言葉をいただきました。たくさんの参加賞を選び、購入してくださった伊藤さん、特別賞の景品を寄付してくださった元田さんのご主人ブルースさん、井上先生、ありがとうございました。このほか、写真を撮ってくださった陳さん、体操を担当してくださった清水さん、守田さん、近藤さん、その他いろいろとお手伝いくださった父兄の皆様にも心より感謝申し上げます。

 そして最後になりましたが、1ヶ月前から準備に取りかかり、献身的に打ちこんでくださった運動会実行委員の皆様(大沢、大場、守田、清水、金、フェドロー、メーガン、谷、開出、川本、片山)[敬称略]本当にありがとうございました。EJCAからも連携役としてCathyさん、林さんが準備に加わってくださいました。EJCAからも「すばらしい運動会であった、みなさんにお礼を申し上げてください。」とのことです。多謝!

 なお、今後のために皆様からのご意見を記録に留めておきたいと思っています。お気づきになりましたこと、提案などがありましたら実行委員代表のヒルまでご連絡ください。

運動会実行委員会代表   ヒル 厚子

 

<9月の当番> 

 

6月24日  元田、阿部

9月 9日  ジャクソン、劉

9月16日  開出、フランキウィズ

9月23日  フェドロー、川本                  

9月30日  ヒル、近藤

10月7日  金、スタイン

 

  当番の変更がありましたら、お早めにダンウルドまでお知らせ下さい(437-3457)。

事務係 ダンウルド 節子

 

<さようなら、みなさん

高橋澄子

 

この夏、アメリカへ引っ越すことになりました。-40℃のエドモントンから+40℃のアトランタへ、ほぼ北半球縦断です。皆さんが運動会で盛り上がっていた11日、私はアメリカ人の夫と共に、新しく住むための家を探しにアトランタへ行って参りました。高原のようにさわやかなエドモントンとは対照的に、道を渡るのにも息切れがするくらいの蒸し暑さでした。また、ここでは当たり前のようにいるアジア人はあまり見かけず、代わりにアフリカ系・メキシコ系の人々がたくさんいました。エドモントンではゆったりと流れる時間も、急に伸縮したかのような、人々の慌ただしさです。最近よく「世界はせまい」と耳にしますが、やはり世界は広いなーと思います。

駐在率の低いここの日本語補習校は、その広い世界の縮図のようでした。国際結婚をされたり、過去に日本であるいは現在カナダで外国人として生活されたりして、人間は皆同じだと思う一方で、言葉や文化の違い(これらは言葉の響きよりもずっと大きなものです)が存在するということを、肌で感じている皆さんの集まりです。明るく強くて、人として賢い方ばかりです。私はここで、3つの違うクラスを見させていただきましたが、いつも最初の授業でたちまち生徒たちに、後にはそのご両親にも、魅了されてしまうのです。

日本語でコミュニケーションが取れ、家の中で靴を脱ぎ、箸で物を食べ、お辞儀ができるからといって、日本人や日本の文化を分かったことにはなりません。そういったおごりはとても怖いものです。日本語学校は日本語を言語として学ぶだけの場所ではありません。生徒の皆さん、先生の話をよく聞いてください。勉強以外の面で、先生がどういうことで怒り、ほめてくれるか、注意してください。日本人の物の考え方や受け取り方、感じ方、美徳・悪徳など、教科書に書くのはとても難しいものですが、皆さんは補習校やご両親を通して、自然に学んでいるはずです。

皆さんの恵まれた環境を意識し、教科書だけで言葉を学んだ人との違いを、ぜひ活かしてください。そして、いつかこの広い世界の中で日本と他の国々との架け橋として、大きな意味で社会の役に立てるような人になってほしいと、心から願っています。ついでですが、エドモントン補習校で先生の得ている報酬は、他の町でのそれに比べ、1/3から1/4ほどで、皆、これはボランティアだと言い切っています。これも、どの先生もここで教えることに、このような意義を見出しているからこそです。

最後になりましたが、授業に関し、様々なアイデアやテクニックを教えてくださった諸先生方や、経験の浅い私に、心を開いて生徒や日本語へのいろいろな思いを話してくださった保護者の皆様、そして、大好きな生徒の皆さん、本当にありがとうございました。また、大木先生を始め先生方にもお母様方にも本当に素敵な女性が多く、これからの私にとって、心の励みになっていくことと思います。先生と呼ばれるのがもったいないくらい、私の方が多くのことを学ばせていただきました。

 

<父母のコーナー>

 

  先月号から掲載されたヒル厚子さんのエッセーです。後半をお楽しみください。

 

「エドモントンは、いい町だ!」 (その2) 

                   ヒル 厚子

 「エドモントンの夏はいいけれど、冬は厳しいよ!」というのが決まり文句だったが、今年の冬は、ここ16年あまりの北米生活で一番美しいものだった。もっとも今年は暖冬だったというが、雪に包まれた我が家の近辺を家族で散歩しながら、「すばらしい!美しい!」を連発したものである。トロントからかかる電話に、「エッそちらは大雪?こちらは快晴ですよ。」なんてニンマリ笑って優越感を味わったりもした。

 

アルバータにはお金があるのにもびっくりした。州政府に赤字がない。州の消費税がない。不動産税が安い。ゴミを制限なく持って行ってくれる。(キングストンでは1家庭1個のみ。あとは市からステッカーを買ってそれを貼るとひきとってくれる。)ゴミ焼却場にリサイクル施設がある。(毎日ミシガン州までゴミを捨てに行くトロントの醜態をご存知であろう。)とにかく生活の隅々に、この州はお金があるのだなぁと感じられる。

 

もちろんエドモントンにもありがたくないことはある。たとえばドライバーが非常に危ない。とんでもない所から飛び出してきたり、規則も何もあったものじゃないという人がいたり、制限速度で走っていると、ぎりぎりまで迫ってきていやがらせをする人も多い。オンタリオにはもう少し紳士的(淑女的?)なドライバーがいたような気がする。

 

引越しは大変だったが、我らヒル一族はエドモントンに引っ越したことを後悔してはいない。今や「この町はいい町だ!」というのが家族の合言葉のようになっている。「住めば都」という言葉もあるが、概して人間は文句の方が先に出てくる。いつか私たちも「あぁ、いやだ。こんな町は!」と溜息をつく日がくるのかもしれないが、新鮮な目で見たエドモントンは、とてもすばらしい町だったということを忘れないでいたいと思う。半分水の入ったコップの、空の半分ではなく、水のある半分を見つめて生きると、人生もっと幸せになれる。

 

さあ、声をそろえて、「エドモントンはいい町だ!」と言ってみよう!

         

 

     

スクールニュース校正 大木早苗

編集 フェドロー 美恵子

英訳 マクレーン テリー